- DATE
- 2023.01.27
本日もブランドゥスティルアンのブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。
花嫁衣裳といえばウェディングドレスを思い浮かべる方も多いですが、
最近は日本ならではの伝統的な婚礼衣裳である白無垢や打掛、引き振袖などの和装を選ぶ方も増えております。
古くから受け継がれた伝統の技術により作られた着物は、上品な美しさが魅力的です。
しかし、一言で和装と言ってもどのような種類や意味合いがあるか、ご存知でない方も多いのではないのでしょうか。
本日は花嫁和装についてお伝えをさせていただきます。
◇白無垢◇
白無垢の歴史はとても古く、室町時代より婚礼に用いられるようになったとの謂れがございます。
着物から掛下、合わせる帯や小物に至るまですべてを「白」で統一した、和の婚礼衣裳の中で最も格式が高い正礼装です。
なぜ「白」なのかというと、これは古代の神事に臨んでいた人々の衣裳が白かったことに由来します。
「白」はかつてより神聖なものとして捉えられていて、邪気を払うことができると信じられていたのです。
そのため、「穢れがない」「純真無垢」という意味が込められ、花嫁衣裳としても使われるようになりました。
白地に描き出される“吉祥文様”の美しい柄、織りや刺繍など生地の風合いで、雰囲気が変わるのも白無垢の魅力です。
近年では、袖口やふきの部分に赤のラインが入るものや、金刺繍が施されている白無垢も人気となっております。
◇色打掛◇
白一色の白無垢に対し、華やかで美しい色打掛。
着物の上に打ち掛けて羽織ることから打掛と呼ばれ、その歴史は室町時代中期から始まったとされております。
白無垢と色打掛はそれぞれ異なる歴史を持ちますが、現代では白無垢と同等の格式高い婚礼衣裳とみなされています。
色打掛は挙式と披露宴のどちらでも着用できますが、色打掛を着た後には白無垢に戻れないというルールがあります。
これは、色打掛に「嫁ぎ先での生まれ変わり」「婚家の人間となった」という意味が込められているためです。
唐織に代表される「織り」や、友禅の「染め」など、さまざまな技法が使われた色打掛。
お選びいただく色打掛の色味や柄行からも込められる意味合いが変わるため、
それぞれの意味を知ると色打掛の見方が変わり、選択の幅が広がります。
◇引き振袖◇
未婚の女性の第一礼装である振袖のなかでも、成人式などに着る中振袖より格が高い引き振袖は、花嫁様だけの衣裳です。
引き振袖は振袖を「お引きずり」で着るスタイル。
衿元や裾まわりが華やかで、裾のへりに綿を入れてふっくらさせているのが特徴です。
着物を着る際は通常、おはしょりを作ることで着丈を調整しますが、
お引きの場合には丈が長いままで帯を締めるため、裾を引きずる形になります。
優雅でありながらも、白無垢や色打掛のように一番上にさらに1枚羽織る「打掛」を着ないので、和装の中では身軽な着こなしです。
色打掛に比べても帯が目立つので、帯の結び方や、帯揚げ、帯締め、抱え帯など
小物の色合わせで花嫁様ならではのコーディネートを楽しめるのもポイントです。
伝統文化を受け継ぐ職人たちの技と心がこめられた白無垢、色打掛、引き振袖は、
古くからの日本の文化を体験していただける特別な衣裳であり、世界にひとつの「作品」とも言えます。
花嫁和装ならではの、上質な装いを是非ご体感くださいませ。